流し撮り
星が線になる。これは日周運動・・・つまり地球の自転の影響を受けるからで、1分間に角度として0.25°移動することになる。秒あたり0.00416666°なのでカメラの通常シャッタースピード域だったら止まっているような動きである。にもかかわらずその暗さから、数分単位のスローシャッターを強いられた結果、星が流れてしまう。
そこで、被写体の動きに合わせて撮ってみる。被写体の星の動きを止めた状態で、フィルムに星の光を焼き付ける。それには星の運き(日周運動)に同調する雲台を用意しなくてはならない。赤道儀と言われる装置だが、広角・標準レンズ程度だったらポタ赤(ポータブル赤道儀)と呼ばれる簡単な装置で大丈夫だ。下の星野写真は自作のポタ赤で撮ったもの。南天の天の川を、広角レンズ28mmでf4.0に絞り込んで10分程度露光した。地上光が入り込んで、下の方が白けてしまっている。実際にはこんなに多くの星たちは肉眼では確認できない。10分間という星の光のエネルギーの集約が成せる結果だろう。肉眼では見えないものが、写真では見る事が可能となる。これが星野写真の楽しさではないだろうか。