Summicron 50mmF2.0(第1世代) その2
ズミクロンの特徴は高い解像力である。シャープなピントとキレの良さは、ポートレイト写真の髪の毛が数えられるとまで言われるぐらいだ。しかし開放付近ではソフトとなり、そのまろやかなボケ味はとても素直で素敵である。
ズミクロンは2段絞り込んだ時に最高の描写をすると聞いている。それはf4絞りに柔かさとシャープさが共存するということだ。言い換えればf4を境に開放すれば甘い描写、絞り込めば鋭い描写となるのである。被写体に応じて優しくも鋭くもなれる、とても魅力的なレンズである。また初期のライカレンズは鏡胴などの金属部分が重厚で、触っているだけでも満たされるものがある。ちなみにこのレンズ使われている酸化ランタンも、水銀を含むため現在ではレンズに用いられてはいない。